場所は北イングランド最大の都市、マンチェスター。その地で飛行機に乗り遅れてしまった森イチロー・ぷう猫夫妻。でも、実は乗り遅れたのって２回目だったりして、あんまり慌てず騒がず、とりあえず言われた通りにターミナル３に移動しました。

　バスで滑走路を横切れば一瞬だったんですが、そこはやはり一応ターミナルが３つある空港。歩けばさすがに10分くらいかかりました。それでも上の表示を見ながら、迷うことなく到着。

　さて、目指すはBritish Airwaysのチケットカウンターです。最初に見つけたBritish Airwaysのカウンターに行くと、

「ここはチェックインカウンターでチケットカウンターはあっちよ。」

・・・と教えてもらったような気がしました．．．

　そう、ここは北部イングランドの中心地です。北部イングランドの英語と言えば、それはそれはもうとにかく、

何語？

ってゆーくらいに分からないすごい訛りのです。

豆知識：北部イングランド訛りのススメ 　北部イングランドの英語に興味があるなら、映画フル・モンティを御覧になれば如何にすごいかが分かります。

　しかし、こんなところでビビってられません。こちとら、ニセ米語をペラペラしゃべるフリをすることにかけては自信アリです。さて、言われた通りチケットカウンターに行って、

ペラペラペラペラのフリ

と嫌味なくらいの米語で事情を説明しました。

　と、向こうもさすがネイティブです。事情をすっかり理解してくれて、

ペラペラペラペラ・・・約3分

　で、私もすかさず返事。

私：「要するに、British Midlandに行って、そっちの便が無いか聞けばいいんですね。」

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3分話して要するにそれ以外は

さっぱり分からなかった・・・(T-T)

　はい。こんなところでへこんでられません。悪いのは向こうのナマった英語（とても失礼）です。とにかく（事情は分からないけど）やるべきことは分かったので、British Midlandのカウンターへ行きました。そこには忙しそうに働く受付の女性がおりました。

　今度もこれでもかってくらいの米語風。しかし、調子こき過ぎて１回目は理解してもらえず、再度ゆっくり説明。

ネイティブにゆっくり説明するってすごくない？

って、単にテキトーな英語を話す迷惑な外人ってだけなんですが、とにかく今度も事情は理解してもらうことができ、何やらいろいろ調べ始めました。そして、

ペラペラペラペラ・・・

・・・何かよく分からないけど、10時半の便があって、それの空きがあれば乗れるけど、乗れないと夕方のロンドン経由の便（って、南に下るのかよっ！）になる、ということらしいのです。

　しかし、時間が既に9時半を回ってるのに、10時半の便の空きが分からないってのも変な話なんですが、とりあえず10時半でウェイトをかけておくので、荷物を探しましょう、と言う話になりました。実を言うとですね、この女性はそれほど訛りが強くなかったのです。割と平均的なイギリス人程度。

　で、荷物は本来乗るべきだったBritish Airwaysの方にあるので、またBritish Airwaysのチケットカウンターに、今度はそのBritish Midlandの女性も一緒に行きました。

　しかも、説明も彼女が全部してくれるので楽チン。我々は心配そうに見守る演技だけでOKです。

　British Airwaysの受付は何やらあちこちに電話してました。こういう場合の作業手順くらい決まってそうなもんですが、10分くらいは待ったでしょうか。結局、British Midlandの女性に何やら電話番号をメモして渡し、終了。

こりゃ、見つかってねーな・・・

　聞いてみるとやっぱり見つかってません。ですが、10時半の便まであと30分ちょっとになったので、今度はBritish Midlandのチェックインカウンターに行きましょうということになりました。で、チケットカウンターの女性は、チェックインカウンターの女性に事情を説明し、British Airwaysからもらった電話番号を渡して引継ぎ完了。

こりはもしかしてイワユルたらい回しってやつか？

と不安を感じつつも、British Midlandのチケットカウンターの女性も頑張って親切に働いてくれたし、チェックインカウンターの女性も荷物確認の電話をしながら空席情報を確認している模様。

　しばらくして、何やら端末をたたき始め、チケットを発券しました。時刻は10時ちょい過ぎ。

荷物はすぐには見つからないから、我々が探しておくので、
あなたたちは先にゲートに向かってください。

　どうも空席はあったらしいです。荷物は心配でしたが、仕方が無いので言われた通りにセキュリティチェック（ここはアメリカに比べるとかなり甘かった）を通過し、ゲートへと向かいました。なんせ、10時半の便ですから、普通なら10時には搭乗ですから、急いでゲートへ。

げっ！　人が全然いないじゃん・・・

　ゲート付近には客が少ししかいなければ、ゲートのカウンターに係もいません。まさか、チケットを発券したのに搭乗を締め切ったんでしょうか。

　とそこへ、白人とアジア人の女性二人が急いでやってきて、

　白人（以下、白）：「ゲートはここよね。」

　私：「エディンバラ行きですか？」

　白：「ええ、そうよ。」

・・・と、どうも搭乗時刻が遅れている模様。

　ふとゲートの向こうを見ると、British Midlandの小さな飛行機に、ぞくぞくと荷物が積み込まれているのを見つけました。なるほど、遅れてるのね・・・って、荷物積み込み完了まで見てたのに、

わしらの荷物、どこ行ったんじゃい！

　ぷう猫のスーツケースはエンジ色で割と目立つんですが、作業中に見かけなかったんです。まあ、荷物を積み込み始めたところから見てたわけじゃないんで、

最初の方に積まれたんだよ、きっと。
〔†〕 m(￣０ ￣〃)オオ!カミヨ!!

と自分に言い聞かせました。

　ベンチで待つこと30分くらいでしょうか。10時半頃にようやく搭乗開始。飛行機に乗り、自分の座席に座って辺りを見回すと、

ガラガラじゃん！

どこが空席待ちだったんだよ！！！

　全くもってエエ加減なシステムです。結局、どれくらいの人が乗る予定か、チケットカウンターでは把握できてなかったってことです(--;;;。

　ですが、そんなシステムでも飛行機は無事テイクオフ。そしてランディング。エディンバラに到着しました。

　タラップを降りると、

冬ですか？？？

　いやー、この時期のイギリスはとにかく例年にない寒さだったそうで、ましてやブリテン島北部に位置するエディンバラ。雪こそありませんが、寒いこと、この上ありません。

そして私は半袖、短パン。

まぁ、チャレンジャーなアジア人ですこと。

　滑走路を早足で歩き、建物へ。入るとすぐにバゲージクレームでした。

さぁて、荷物は・・・

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出てこねーよな、やっぱ。

　まぁお約束と言いますか、荷物は出てきません。

　で、ふと後ろを見ると大量の荷物が大量のカートに乗っかって、その向こうにBritish Midlandのバゲージサービスを発見しました。

　中にはちょっと太めの姉ちゃん。ここは今度はスコットランド訛りです。事情を説明すると、如何にもよくあるのよねぇとばかりに陽気に荷物に関する情報の聞き取りを始め、「大丈夫よ、見つかるから。」と安心させてくれます。

　でも、

その自信はどっから来るんですか？

って感じです。すると、

　太めの姉ちゃん（太）：「あれも全部ロストなのよ。」

・・・って、この100はあろうかという荷物が全部ロストっすか．．．(--;;;

　どうもミスコネクションでやってきたらしんですが、

恐るべし、

イギリスのシステム。

　でもって、姉ちゃんは相変わらず陽気にいろいろ世間話を交えながら、荷物の大きさ、色、宿泊するホテルの住所等の情報を端末から入力し終えました。で、来るとしたらいつ入手できるかがどうしても知りたいので聞いてみると、

　太：「早ければ一番最初の便ね。と言っても、ロンドン経由のBritish Airwaysしかないから・・・」

と時刻表のようなものを見てます。すかさず私も覗き込みました。

　太：「マンチェスターを夕方に出るみたいね。エディンバラに着いたらすぐホテルに運んであげるから。24時間サービスよ。」

　私：「でもそれの到着、夜中の12時くらいみたいですけど、深夜でも運んでもらえるんですね？」

　太：「そうねぇ・・・ひょっとしたら翌日かも。」

24時間サービス
ってシステムの意味、知ってます？

　とまぁ、こんなマヌケなやり取りをしつつ、やるだけのことは全部やってしまったのでした。

いつ荷物が着くか分からないのに、
明日から着る服もないじゃん！

というわけで、「エディンバラではまず買い物をしよう」と決め、タクシーでホテルへと向かったのでした。

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運命や、如何に？？？

＜後編へつづく＞

A9. 確かにイギリス人の中には熱心に働いてくれている人もいるのですが、根本的にシステムに欠陥があるため、彼らの努力に見合った結果が伴わないことを覚悟しておきましょう。あとは悟りの境地に至るのみです