＜長編＞アルメニア教会クリスマスコンサート（その２）
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その２・リハーサル編
プロのソプラノソリストとの合わせは一回もやってないし テナーにメンバーのソロパートがあったんだけど、 そのメンバーが緊急入院でいないし、 代役の（何故か）女性は、代役なのにメロディー覚えてないし、
とにかくこんな状況ですから、リハーサルは必須なのです。
到着後、すぐに衣装（黒の上下に赤の蝶ネクタイとポケットチーフ）に着替えてステージへ。もう３０分前なので客も入ってますけど、
宇多田ヒカルだって 客を入れてリハーサルをやったし、
新事実発覚！
どうやら周りのメンバーはいつも、緊急入院したテナーのメンバー（彼は楽譜が読める）の音を頼りに歌ってたらしく、一旦歌が途切れて新しく入るところで
適当に歌い始めてます。
私とて、数回練習した曲なら何とかリカバーもできますが、中には１回しか歌ったことのない曲もあるので、周りに違う音を出されるとかなりヤバイです。
・・・にも関わらず、指揮者から何も言われませんでしたからＯＫなのです。ですから、まぁリハーサルはつつがなく終わったのでしょうか。 私も随分このグループに慣れてきたようです。
さぁとうとう本番まであと少しです。 みな適当に談笑などして時間を過ごしております。私はアルメニア語は話せないので、英語の上手なアルメニア人だけ私に話し掛けてくるんですけど、皆私に聞くことと言えば、
「お前の友達はどうしたんだ？」
というものばかり(--;。
そう、集合時間に遅れた私の友人はこの時、まだ姿を見せておりません。まぁ私なら集合時間に遅れた時点で、こんな遠いところにとても一人で来ようとは思いませんけどね。
新事実発覚！
「私、間違いなく リハーサルのとき、 客席の後ろの方で彼を見たわよ。」
という目撃証言がメンバーの女性から飛び出しました。なるほど、ひょっとすると今ごろ着替えているのかも知れません。 皆、その発言に一様に納得し、後はコンサート開始を待つばかりです。 ４時開始のはずのコンサートも既に４時半。帰りの時間を気にしている私としては、かなり辛いものがありますが、今はコンサートに向けて集中です。 なにせ、
しなければならないのです。
私の友人はまだ来ておりません。
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