これは、忘れもしない渡米直前のお話。実家にて所用があり帰省しておりました。

　その夜。布団に入ってしばらくし、尿意をもようしました。寒かったんですけど、何だかとても強い尿意だったので、仕方なくトイレへ。しかし小便は出ません。そのまま尿意は続き、何度かトイレにいくのですが、出ても少しだけ。そのままぐっすり眠ることができずに朝を迎えたのです。

　そして朝のこと。あまりに小便が出ないので、ちょっと気合を入れてみました。

あ、出るかも。

　いや、確かに出たんですけどね。ただ、小便じゃなかったんですよ。出たのは、

真っ赤なドロドロの血（膿）．．．

　マジ、気が遠くなりそうでした。とりあえず便座を下ろして座り、そのまましばらく休んで気を落ち着けました。寝不足のせいもあったんでしょうけど、とにかく気分がすぐれません。それでも何とか所用を終え、さらにその日はそのまま東京へとんぼ返りして大学時代の友人によるアメリカ行き壮行会にも参加し、深夜に自宅に到着。その間、何度かトイレに行きましたが、大抵は血が混じっているし、たとえ赤くなくても明らかに真っ白に濁ってます。

　翌日、午前中はどうしても会社へ行かねばならなかったので出社し、そのまま午前で帰宅。だんだん熱っぽくなってきて、帰りの電車ではほとんど死人でした。そしてそのまま病院へ。総合病院だったんで、受付で

「何科ですか？」

と聞かれるんですが、もうその時は既に恥ずかしいとか感じる余裕のない状態でして、迷わず

「泌尿器科でお願いします。」

と返答してました。

　そしてついに診察。病状を伝えると、当然のことなんでしょうけど、

先生：「下を脱いで下さい。」

　でももうフラフラで若い看護婦（フラフラでも看護婦はチェック済）がいたんですけど恥ずかしいとか思う余裕がありません。面倒なんでパンツごとGパンを下ろします。

先生：「ベッドに横になって下さい。」

　これも余裕。フルチン状態でベッドに横になります。

先生：「両足をあげて頭の方に曲げて下さい。」

　これってどういう状態かって言うと、要は体を折り曲げるわけです。これをあお向けでしかも下半身すっぽんぽんでやりますから、当然ながら、

肛門全開！

　それでも恥ずかしいというより、「フラフラなのにこの体勢は辛い」って感じです。すると、

・

・

・

ぎゃっ！

せ、先生・・・

指が入ってませんか？

　はい。私、まさかこんな形でデビューするとは思いませんでした。

要するに、こーゆー状態なのです。

先生：「痛いですかぁ？」

私：「はぅあっ、い、痛いですっ・・・ぐひっ・・・」

　正直言うと、触られているところが痛かったのかどうかなんて分かんなかったです。もう、

指入れられた時点で既に「痛い」わけで・・・

初めてなのよぅ．．．(;_;)

森イチロー、肛門処女喪失の瞬間でした。

　結局、急性前立腺炎でした。この後すんげぇ高熱が出て、最高39.8度をマークし、

死ぬかもしんない。

と思ったものの、結局死ぬことはなく今にいたっております。