テレパシー

悪魔のささやき

霊の声・・・

　「突然、頭の中に自分と違う声が聞こえる」、という霊現象あるいは超常現象は、皆さん本やテレビで御覧になったことがあるでしょう。あるいは、皆さんの中には実際そういうものを聞いたことがある方もいらっしゃるかも知れません。

　しかしながら、マッドではありますが仮にもサイエンティストな私ですから、当然超常現象など信じてはおりません。そもそも聴覚というものは耳から入ってきた信号だけでなく、夢の中で聞く音なんてのがいい例ですが、あたかも耳から入ってきたかのように脳が勘違いをして信号を送ることがあります。人間の脳は耳からの情報と脳で作られた情報を区別する術がないので、頭の中でまるで本当に声が聞こえるように感じることは十分ありえるのです。

「いや、あんなこと自分じゃ絶対考えもしない。だから、自分の声じゃない。」

と反論される方もいらっしゃるでしょうが、突拍子も無い夢をよく見るように、自分の意識下にある無意識が突然表に現れると、それが自分の考えていることと思えないために、あたかも自分以外の人間が自分の頭の中にささやきかけたと勘違いしてしまうものです。

私はそう信じていました。

ついさっきまでは・・・

心臓の弱い人

話にのめりこみやすい人

はここから先は読まないことをお薦めします。万一どうしても読みたい場合は、自己責任の上で読んで下さい。この恐怖体験によって読者の皆さんに何があっても、私は一切責任を負いかねますので。

それでは始めましょうか・・・

 　ときどき、首や肩が重くなったりすることがあります。その日も、首や肩に違和感があったのですが、その前日まで週末もゆっくり休めないほど忙しかったため、疲れが出たのだろうと思っておりました。実際、パソコンの前で仕事をすることも多いため、仕事が集中する時はとても眼が疲れ、そのまま首や肩に影響するのです。

　しかし、その日は少しだけ様子が違いました。まず、首は凝っているというよりも、何だかコルセットでも巻いているかのように硬直しているのです。肩も少々軋むような感じで、背中のところどころで刺すような痛みも感じます。軽い偏頭痛もあり、全体的に後ろから何かが覆い被さるような感覚があったのです。

　その日は夜も仕事をせずに、早く床につきました。疲れているときには休息が一番ですから。

　その翌朝のことです。

　目が覚めると、頭痛はいくぶんか治まっているようでした。しかし、やはり首から背中にかけて軽い違和感を感じます。

　ふと、首の後ろが気になって、自分でマッサージをしようと両手を首にかけようとしたそのときです。

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う、腕が上がらない・・・

　右腕は何ともなかったのですが、左腕が肩から上に上がりません。正確には上げるときに何か強烈な痛みが走り、上げることができないのです。

そしてそのときです。

私の頭の中で、自分が思いもしない、ある声を聞いたのは・・・

四十肩

身も凍るような恐ろしい瞬間でした。