〜Mafia in Walt
Disney〜
＜Part. 2＞
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今一度確認したい。 あなたはこの話を一切他言あるいは転用して公開はしないという誓約をした上でこの先を読むことができますか？ できなければ残念ですがお戻りください。
それではまず、紳士の写真をお見せしよう。写真と言ってもこの紳士は布のようなものを巻きつけるようにして体のほとんどの部分を隠しており、私から見えたのは手足の一部と、話をするために一部だけ開けられたところから見える口だけで私には誰だか最後までわからなかったのだが。
それではここからが紳士から聞いた話の内容である。場所である「ディズニーワールド」とそれを経営する「ウォルト・ディズニー」、そして我々が探していた「ドナルドの帽子」以外に一切個人名を明かすことはできないが、その他はできる限り編集などせず、生の緊張感が伝わるよう、紳士の息づかいに至るまで再現するよう心がけたい。
紳士（以下、紳）： （やや興奮気味に）グワッグワッ！ ・・・（少し落ち着いて）そう、このディズニーワールドは黒い力で支配されているのです。 私： そのせいで私たちがいくらドナルドの帽子を探しても見つけられなかった、と。 紳： その通り。勿論、ウォルト・ディズニー社によって経営されています。しかし、そういう企業経営の表側と別に、このディズニーワールドを舞台として裏ではすざましい権力闘争が繰り広げられているのです。 私： 具体的にはどういう？ 紳： あなたも気が早い。これを話すには何年も前に遡らねばならないのですから。確かにかつてのディズニーはあなた方が映画やビデオで見ていたような、夢溢れる世界でした。様々なキャラクターが踊り、歌い、時には喧嘩し、そんな生き生きした世界だったのです。 （紳士は語りつづける）しかし、いつ頃からか、それまでになかった現象が起きました。今を思えば、新しいキャラクターがどんどん増えていったころだったかも知れません。キャラクターたちの間に競争のようなものが始まったのです。 それも初めは他愛もないことでした。どのキャラクターが人気がある、どのキャラクターが人気がない、そんな普通のものです。新しいキャラクターが増えていったと言っても、やはり従来からのキャラクターが人気を誇っていた。そしてそんな半ば遊びのような競争の中で、あるとき当時の人気者の一人ＤＤ（鳥）がこんな冗談を言ったのです。
私： 偶然ですが、私もとあるアトラクションでそんなことを言っているのを見た覚えがありますよ。お客はみんな笑ってましたね。 紳： そうでしょう。ＤＤ（鳥）さんはそういう役回りで盛り上げる方ですから。しかし・・・ 私： しかし？ 紳： それがある人の怒りを買ったのです。 私： ある人？ 紳： （周りをキョロキョロ見ながら小声で）ＭＭ（♂）です。 （紳士は続けた）ＭＭ（♂）が本気で怒ったのです。もともと、ＤＤ（鳥）さんをはじめとする回りのキャラクターや、新しく作られたディズニーアニメーションのキャラクターなんかが底辺を支える中で、常にシンボルのようにして人気を得ていた彼ですが、中身は肝っ玉の小さい男なのかも知れません。 （口がすべった・・・という感じで少し慌てて）無論、ＭＭ（♂）こそがディズニーの不動の人気No.1キャラですし、その点はＤＤ（鳥）さんだって本気でどうこうしようと思ったわけじゃなかったんですよ。しかし、ＭＭ（♂）は自分の人気を不動のものにすべく、ウォルト・ディズニーの中で着々と自分の派閥のようなものを作り上げていったのです。 私： 派閥．．．ですか。 紳： そう、初めは派閥みたいなもんでした。まず、情婦のＭＭ（♀）と自分のペットの犬のＰ、ぼーっとしてる友達の犬のＧで派閥ができたみたいです。ＤＤ（鳥）さんも元は彼らの仲間だったんですが、何せ経営しているウォルト・ディズニー社でもＤＤ（鳥）さんの人気が分かってらっしゃいますから、すごい数の仕事を依頼しているわけですよ。なもんで、ＤＤ（鳥）さんを妬ましく思うような気持ちからだと思うんですが、いつの間にか可哀相にＤＤ（鳥）さんははみ出し者になってたってわけなんです。 そこからの派閥の拡大はすざましいものでした。ＤＤ（鳥）さんがいい方なのをいいことに、片っ端からキャラクターを自分の派閥に取り込んでいったのです。それだけのキャラクターが集まってる派閥ですから、言うことを聞かなければ仕事がもらえません。そうやってどんどんＭＭ（♂）を頂点とする組織が出来上がっていった．．．そしてその組織が今や、
＜Part. 3に続く＞ |
