|
最近はハリウッド映画にも日本人が出演するようになりました。石橋貴明の「メジャーリーグ２」はまあ脇役ですが、工藤夕貴の「ヒマラヤ杉に降る雪」なんて主演女優、大したもんです。
しかし、そんな日本でも有名なタレントが出るのでなくとも、日本のものが描かれた映画はしばしば見かけますよね。今回は、そんな中から2000年に公開されたキアヌ・リーブス主演のアメリカンフットボールを題材にした映画、「リプレイスメント」の中に出てくる日本人・「FUMIKO」のお話です。
FUMIKOは、ジーン・ハックマン扮する監督に代理選手（リプレイスメント）の一人として呼ばれた日本人の相撲レスラー。実際はACE
YONAMINEというハワイ育ちの日系人（しかも相撲部屋入門経験半年あり！）が扮してます。
そもそもFUMIKOなんて名前からして怪しいですけど、まずその姿を見ていただきましょう。
  
いくらデカイからって、他にもっとデカイ選手はいるのに、何故か彼のトレシャツは
コギャル真っ青の”チビＴ”状態。
それに、このマゲ。どっかおかしくありません？ そうです。マゲはともかく、おでこから頭頂部を剃ってるのって、
関取じゃなくって侍ちゃうのん？？？
そしてジーン・ハックマンが日本語でたどたどしく「ヒサシブリダナア」と声をかけると、こちらも「オハヨウゴザイマス」とたどたどしく答えます。
そんな彼、練習後の食事でチームメートの黒人アメリカ人ジャマールと喧嘩をします。その喧嘩の元は、ジャマールがFUMIKOを中国人と言ったから。FUMIKOは「お前、日本と中国は違う国って知ってるか？」と言い返しますが、その彼の髪型はマゲをほどいた長髪を編みこんで後ろに垂らし、その姿は
昔の中国の辮髪．．．
ジャマールじゃなくても中国人と間違えるって。
だいたい、仮に彼が相撲経験者だったとしても、マゲを結うのはいわゆるプロ力士。つまり、彼は日本の角界にいたわけです。その彼が引退後、断髪式もなくそのままの髪（ってゆーか、侍ヘアはたぶん許されてないと思うが）でアメリカに渡り、日本語より流暢な英語をしゃべるって、一体どういう設定なんでしょう．．．。
私は、彼の影の設定は
「単なるおデブになってしまったために女の子にもてず、相撲取りを名乗ることで
おデブを生かしてもてようと試みた
日系２世のニセモノ相撲レスラー」
じゃないかと分析してるんですが．．．（笑）
実はFUMIKOはこの映画における重要な役割を担ってます。
まず、リプレイスメント選手達の初めての試合にて。彼は試合前にコーチの制止も聞かず、ゆで卵をむさぼり食い、挙句の果てに試合中にゲロを吐いてしまいます。で、つられて別の選手も吐いてしまい、このままでは
「恐怖のゲロ・チェーンリアクション」
を引き起こしてしまいます。そこでそれまでチームプレイなど全くやる気のなかった彼らは、初めてのチームプレイとして一致団結して円陣を組み、ゲロを吐いた場所から移動するのです。
つまり、初めてのチームプレイは、FUMIKOのゲロのおかげでできたわけですね(--;。
次に、その初めての試合に負けた後のシーン。リプレイスメントの選手たちが、スト中の本来の選手たちに馬鹿にされたことをきっかけに喧嘩して警察に捕まり、留置所に入れられてしまいます。それまではリプレイスメントの選手の間もまだ何となくギクシャクしてたんですが、この喧嘩を境に、チームに信頼感が生まれるのです。
そして、その象徴の一つが、FUMIKOの「ナンデスカー！」の雄たけび。
それまで仲が悪かったジャマールが、仲直りの印にFUMIKOが喧嘩をするときに叫んだ「ナンデスカー」（かなり意味不明．．．）を真似すると、みんなも一緒に「ナンデスカー」と言い合い、心が一つになるんです。勿論、キアヌ・リーブスも「ナンデスカー」って言ってます。きっと「ナンデスカー」は今でも。彼の日本語のレパートリーでしょう(^^;;;。
そして、FUMIKOの「ナンデスカー」で留置所の雰囲気が和やかになった後、"Gｌoria
Gaynor"の1979年のヒット曲 "I WILL
SURVIVE"（邦題「恋のサバイバル」）に乗せてみんなでダンスを踊ります。勿論、FUMIKOも一緒になって踊るんですが、何故かリズムに乗れない．．．
ま、ま、まさか、
日本人だから踊れない
っていう演出なんじゃあ．．．(TOT) | 
