カレンの記憶を辿りながら日記を編集していました。彼が日記に初登場したのは2001/10/22。そう、アルメニア教会のコーラスに参加したときです。恐らく、どこかで彼の話はちょっとずつはしていたのですが、このまろの杜に記録として残っているのはこの日が最初。

　私は、アメリカ生活における貴重なネタ刺激を彼から与えられつづけていたように思います。

　今、オフィスにはカレンの残した机があるだけです。そして彼のいないオフィスを、私は「寂しい」と感じています。

　彼が新しい職のための面接に行くところから帰国するまでの壮大なストーリーをここにまとめました。実際、祖国にまともな職などほとんどないアルメニア人にとって、アメリカで職を見つけるということは、本人だけでなく祖国に残った一族の未来をも明るくできる、素晴らしいことなのです。

　そして私自身、そんなカレンの思ひ出に浸りながら笑い涙をこらえてこのプロローグを綴っています。